
お仕事の打ち合わせもひと段落して、ちょっとゆったり気分な午後です。ひさしぶりに会ったイベンターさんもお元気そうでね。あれこれと、お話に花が咲いちゃいましたです。その方には、このお仕事をはじめた頃からお世話になっててね。良くして頂いてるとか、気にかけて下さるとか、感謝の言葉はいろいろあるけどね。でも、どれもちょっとちがう気がしてさ。お父さんみたいな人、なんていったら「俺はそんな歳じゃない」ってしかられそうだけどね。とても温かい人だったりします。
どんな業界で働くのでも、周囲の人に恵まれるのって、すごくだいじでさ。そんなご縁に出会えてなければ、私がいまここにいれたかどうか、わかんないからね。お世話になったぶん、これからお仕事で返していかないと、ってあらためて思いますです。

でね、さっき事務所に帰ってきたら、事務の子が扇風機を出してお掃除しててね。時期的にまだ、ちょっと早くない?っていったら「去年は扇風機を出したとたんに故障したから、早めの試運転です」みたいなね。彼女はそういう準備に抜かりがなくて、よく気がつく子なのですょ。
ところがね、掃除を終えてスイッチを入れても、ハネの回りだすそぶりがぜんぜんなくてさ。今年もいきなり故障したみたいでね。しょうがないからスイッチパネルを分解して修理しようと思ってさ。機材バッグから接点復活剤を持ってきたのね。

エーゼット(AZ)接点復活剤スプレー962
モノはAZが出してる復活剤ですけど、 これは家電製品の修理に使えてね。電源まわりの接触不良に効果があってさ。扇風機の回転速度切替スイッチにスプレーしたら、ふつうに羽が回るようになりました。事務の子が「いつも復活剤を持ち歩いてるの?」ってふしぎそうな顔してね。たしかに接点復活剤を持ち歩いてる人は、少ないかもしれないねw けど、こういうのって1本持っとくと、なにかと重宝するんですょ。
たいていの復活剤は、接点を洗浄したり保護する効果があってね。でもいい替えればさ。油分に対して洗浄力があるってことは、必要なオイルの皮膜やグリスまで落としちゃうのね。電気的に導通が良くなるってことは、ぎゃくにいえば絶縁も悪くなるわけでさ。接点復活剤の使いすぎはかえって害になることも・・なんていわれるのは、そういう意味ね。ふだんなにげなく使ってるけど、用途によっては使い方にコツが要る場合もあったりします。
ちなみに私は、お仕事関係の音響機材と家電製品で復活剤を使い分けててね。ホームセンターなんかで売られてるものは、音楽関連の機材に向かないものも、あったりしてね。そっち方面には、オーディオ用の復活剤が出てたりするんですね。なので、家電品の修理や電源わまりのメンテには、お値段がそれほど高くなくて量の多いAZの復活剤を使ってね。

ギターやアンプとかエフェクタなんかの演奏機材は、CAJ(カスタムオーディオジャパン)が出してるCLEANSABLE(クレンザブル)を使ってます。アンプやエフェクタがあつかうのは、アナログ信号や微小電流回路がほとんどだからね。音響機材に向いた復活剤が必要になるのね。

私がギターをはじめた頃に買った中古のMTRがあってね。そのフェーダーにガリノイズが出てね。さいしょはそうでもなかったけど、使ってるうちにノイズが大きくなってさ。父にみせたらKURE 5-56を出してきたのね。それをひと吹きしたら、いちおうガリは消えたんだけどさ。レコーディングしたら、どのトラックも低いブ~ンって音が鳴りっぱなしでね。
5-56は、金属パーツの潤滑剤としては超スグレモノだけどね、音響機材のメンテナンスには向かなかったんでしょうね。じっさいKUREは、接点復活関連の商品を別に出してるからね。
高校生の頃、とあるバンドさんのツアーで機材の搬入搬出のバイトをしたことがあってさ。6ヶ月ほど学校を休んだんですね。出席日数はたりなくなるし、授業についていけなくなったけどね。でもその現場でプロのPAさんに教わったことが、自分のなかで今でもすごく役に立ってたりします。「接点復活剤は毒だから必要最小限に使いなさい」「使ったぶんすべてを、ふき取るくらいでちょうどいい」っていうのも、そのひとつです。


そのPAさんがミキサーのメンテをしててね。そばで見てたらジャックもプラグも、液体の復活剤をほんの少し綿棒の先につけてね。薄く塗り伸ばすんだけど、5分くらいでふき取っちゃうんですね。せっかく塗ったのに、いきなり取っちゃうんだ・・って思ってたらね。こんどはハンドランプ(白熱球の照明ね)で、プラグの表面を照らすようにあぶるんですね。そうすることで、よぶんな復活剤を除去できるんだそうです。
野外のイベントで雨だったりするとね。完パケして持ち帰った機材のすべてのジャックやプラグを、その日のうちにクリーニングするみたいでさ。おおきなライブだと、マイクの本数を考えただけでもタイヘンな作業だと思うんですょ。
でもそうしないと、濡れたプラグにサビが出ちゃう場合もあってね。そういうときは、目の細かい紙やすりを使って錆を落とすそうです。クロームメッキにくらべて、金メッキ処理したプラグは膜厚が薄くてね。サンドペーパーを使うチカラかげんがむつかしいんだって。

そのPAさん的には、スプレー式の接点クリーニング剤や、ミストタイプの復活剤はピンポイントで使うのがむつかしくてね。基板をまるごと洗浄するときしか使わないんだそうです。
接点のメンテナンスにかならず復活剤が必要なわけでもなくてね。スタジオのコンソールなんかも、定期的にジャックを抜き差しするだけで、接点不良をかなり予防できるんだって。コンソールってほとじゃないけどね。私もDAWに使ってるPCや周辺機材を、ときどきバラして組みなおしたりします。それで基板のソケットや、ボードのコネクタの接触がよくなることもあるからね。
おなじ復活剤でも、塗ったまま使うのと乾燥させるので、効果がちがったりしてね。人によって使い方もちがうからね。でも<塗りすぎない>っていうのは、復活剤の種類や使い方にかんけいなく、共通していえることだと思うからね。私自身、復活剤を使うときに注意するポイントだったりします。
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